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鳩羽鼠
読み方 | 割合 |
はとはねずみ | 50.0% |
はとばねずみ | 50.0% |
盛り上り
揺り下ぐる岩蔭の波の
下に咲く海アネモネの
褪紅、
緋天鵞絨を欺く
緋薔薇緋芥子の緋紅、北風吹きまくる霜枯の野の
狐色、春の
伶人の鶯が着る鶯茶、平和な家庭の鳥に属する
鳩羽鼠
宮は
鳩羽鼠の
頭巾を
被りて、
濃浅黄地に白く
中形模様ある毛織のシォールを
絡ひ、学生は焦茶の
外套を着たるが、身を
窄めて吹来る
凩を
遣過しつつ、遅れし宮の
辿着くを待ちて言出せり。