“むぢ”の漢字の書き方と例文
語句割合
無地100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お濱さんは居なかつたがおなじ様に鼠色ねずみいろ無地むぢ単衣ひとへを着た盲唖院の唖者をしの男の子が二人、ぬまの岸の熊笹くまさヽが茂つた中にしやがんで、手真似で何か話し乍らうなづき合つて居た。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
無地むぢ行衣ぎやうえたやうなものに、ねずみ腰衣こしごろもで、ずんぐり横肥よこぶとりに、ぶよ/\とかはがたるんで、水氣すゐきのありさうな、あをかほのむくんだ坊主ばうずが、……あの、たんですつて——そして
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
聲をかけられたのは、三人連にんづれの女である。いづれしま無地むぢかの吾妻アヅマコートに、紺か澁蛇しぶじやかの傘をして、めかし込んでゐるが、聲には氣もつかず、何やら笑ひさゞめきながら通過ぎやうとする。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)