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まちあいしつ
沿海線に
沿うて、レールが
走っていました。
小高い
丘の
上に、
停車場があって、
待合室は
風に
吹きさらしになっています。
Aは、
段を
上がって、
待合室にはいると、がらんとして、
人影はなく、ただ
一人、
黒い
服装をした
外国のおばあさんが、ベンチに
腰をおろして、
下を
向いて、なにかしていました。
もうほどなく、
馬車が
出るというので、
待合室にいた
人々が、
箱の
中へはいりかけました。なかには
大きな
荷物をかかえた
男がいました。たぶん
山間の
農家へあきないにいくのでしょう。