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ほうりこ
番人も
酷いぞ、頭を壁へ叩付けて置いて、
掃溜へポンと
抛込んだ。まだ
息気が
通っていたから、それから一日苦しんでいたけれど、
彼犬に
視べればおれの方が
余程惨憺だ。
其處のところを
密と
赤手で
捕へて呉れる…… 暖い手で、
握ツて
遣ツても、
濟アして
掌を
這ツてゐる
奴を螢籠の中へ入れる…… 恰ど
獄屋へ
抛込まれたやうなものだが、
些ともそれには頓着しない。
飛び込みはしないが、水の
速力を計る為めに、ハンカチを
投込んで見た。