“はなむしろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
花莚35.7%
花筵28.6%
花蓆14.3%
綵筵7.1%
花氈7.1%
花蓙7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八月のさかりに風通しの好いところへ花莚はなむしろを敷いて、薄化粧でもして、サッパリとした物を着ながらひとりで寝転ねころんで見たなんて——私はそういう人が面白いと思います
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
福岡県内の三瀦みずま木佐木きさき八丁牟田はっちょうむたという所で、一時「花筵はなむしろ」の美しいのを作りました。随分さかんに輸出したといいますが、よい仕事でした。岡山県のものと共に花筵の存在を語るものであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
花蓆はなむしろの一枚に、汗をはじく枕でもあれば、それでことが足りて、涼しい風の吹き入るところに身を横にすることも出來る夏の晝寢も無雑作でいゝが、冬の日にはさうもいかない。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さてその家にては家内をよく/\清め、わきて其日正殿でんととなふる一塩垢離しほこりにきよめこゝを神使じんしせきとし、綵筵はなむしろしきならべ上座に毛氈まうせんをしき、上段のかたどり刀掛をおく。
趣味を先ず第一に見る其子の為にも不仁の水とは云われない。此水あるが為に田圃がある。春は紫雲英れんげそう花氈はなむしろを敷く。淋しい村をにぎわしてかわずが鳴く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
いう内に女房が出て来て上がり鼻へ花蓙はなむしろを敷いた、兼公はおれに許り其蓙へ腰をかけさせ、自分は一段低い縁に腰をかけた、兼公は職人だけれど感心に人に無作法なことはしなかった。
姪子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)