“のきさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
軒先66.7%
軒前23.8%
檐前4.8%
檐先2.4%
檐頭2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いや、その光がさしてゐるだけに、向うの軒先のきさきに吊した風鐸ふうたくの影も、かへつて濃くなつた宵闇よひやみの中に隠されてゐる位である。
漱石山房の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
当方武士数十人、鎧兜よろいかぶと、抜き身のやり陣羽織じんばおりを着し、騎馬数百人も出、市中は残らず軒前のきさき燈火あかりをともし、まことにまことに大騒動にこれあり候。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
庭の松がつるしたる、ほの暗き鐵燈籠かなどうろうの光に檐前のきさきを照らさせて、障子一重の内には振鈴の聲、急がず緩まず、四曼不離の夜毎の行業かうごふに慣れそめてか、まがきの蟲のおどろかん樣も見えず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
與「うも檐先のきさきへ顔を出すと蚊が舞って来て、鼻孔はなめどから這入へえって口から飛出しそうな蚊で、アヽ何うもえれえ蚊だ、誰も居ねえようで」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
病気にいいという白屈菜くさのおうという草が、障子を開け払った檐頭のきさきに、吊るされてあった。みんなは毎日暑さを冒して、遠い郊外までそれを採りに出かけた。知らぬ遠国の人から送って来るのもたくさんあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)