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にくだん
此男木作りかと
譏る者は
肉団奴才、
御釈迦様が女房
捨て
山籠せられしは、
耆婆も
匕を
投た
癩病、
接吻の
唇ポロリと
落しに
愛想尽してならんなど疑う
儕輩なるべし、あゝら尊し、尊し
自分は常にあの弾丸とあの
硝薬とあの毒
瓦斯とそれからあの
肉団と鮮血とが、我々人類の未来の運命に、
何の位の貢献をしてゐるのだらうかと考へる。さうして
或る時は気の毒になる。
縮毛の大男と、若い水夫とが、野獣のような
唸きを立てて、たちまち、
肉弾相搏つ
凄まじい格闘をはじめた。
慾の深い水夫たちは、二人の勝敗
如何にと、
血眼になってこの格闘を見守っている。