“なかごろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
中頃42.9%
半頃28.6%
中旬14.3%
中央7.1%
中比3.6%
半途3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一歩さきにのぼって行く上原さんが、階段の中頃なかごろで、くるりとこちら向きになり、素早く私にキスをした。私はくちびるを固く閉じたまま、それを受けた。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
その五里の路の半頃なかごろに、何とか言ふ一つの小さな村があつた。何でも笠といふ字の着く村であつた。そこに祖母の墓がある。それを兄と一緒にお詣したのも其の時だつた。
百日紅 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
榊原式部は前の月の中旬なかごろ、九段の中坂へお所がえになって、あの屋敷はいま空家になっていることをご存じですか
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そして、中央なかごろまで往ったところで、後から一台の人力車が来て、橋田君の自転車を駈けぬけて走ったが、すこしもわだちの音を立てなかった。橋田君はどうした車だろうと思って眼をやった。
朝倉一五〇 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
陶はそこでかばむしろで菊を包んで、それを数台の車に載せて何所かへ往ったが、翌年の春の中比なかごろになって、南の方からめずらしい種を持って帰ってきた。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
山の半途なかごろで前が入海いりうみい所が有ったから、うせ毎年まいねん湯治にく位なら、景色も空気もいから、其処そこへ普請をして遣ろうと云って、其の普請に掛って入らっしゃると云うけれども