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ところせま
其までは
宛然恁う、
身体へ
絡つて、肩を包むやうにして、
侍女の手だの、袖だの、
裾だの、
屏風だの、
襖だの、
蒲団だの、
膳だの、枕だのが、あの、
所狭きまでといふ風であつたのが
下に
敷いた
白毛布の
上には、
所狭く
鑿も
鉋も
散かり
放題。
われは殘れる謝肉祭の時間を面白く過さんとて、
假粧舞の
場に入りぬ。堂の内には
處狹きまで燈燭を懸け列ねたり。
假粧せる
土地の人、素顏のまゝなる外國人と打ち
雜りて、高き低き棧敷を占めたり。