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つれだち
かゝる中へ一人の男
来りてお辰様にと手紙を渡すを見ると
斉くお辰あわただしく其男に
連立て
一寸と
出しが其まゝもどらず
添て遣したるやと有に藤八は其安五郎殿が
連立參られし
白妙と
云女は私し
遠縁の者濱松天神町なる
醫師の娘に候間此縁を以て九助が方へ手紙を
屹度お預け申すなりと
言ひ
捨て夫婦
連立田原町へ
歸り
即刻老母變死の始末より此儀は
嫁菊と申者の
仕業と
推察仕つり候間御吟味願ひ上奉つるとの趣きを
得ず夫婦
連立町役人に
誘引れ奉行所さして
出行けり
頓て白洲へ
呼込れけるに長庵は
那の忠兵衞めが
入ざる事を
喋りて
斯る
時宜に及ばせたれば今日こそは目に物見せんと覺悟を