“たくわえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
貯蓄42.1%
21.1%
15.8%
蓄財5.3%
財袋5.3%
貯叢5.3%
貯金5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僅少わずか貯蓄たくわえで夫妻が冷たくなろうとは思われる理由がない。老妓の推測は自分だけの心にしかわからなかったのであろう。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
その間の困窮はたとふるにものなく一粒の米、一銭のたくわえだになくて食はず飲まずに一日を送りしことも一、二度はありきとぞ。その他は推して知るべし。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
さあ、追々におたくわえになった、数々の宝を8560
欧洲航路の優秀船の船長キャプテンを勤めていたと云い、相当な蓄財たくわえもあるらしく退職後はこうして人里はなれた美しい海岸に邸を構えて
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
川上がなくなるすこし前の事であった。貞奴夫婦を箱根で見かけた時は、貞奴は浴衣がけで宮の下から塔の沢まで来た。その折など決して彼女が、自分の財袋たくわえだけ重くしている人とは見られなかった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
さて掙人かせぎにんが没してから家計は一方ならぬ困難、薬礼やくれいと葬式の雑用ぞうようとにおおくもない貯叢たくわえをゲッソリ遣い減らして、今は残り少なになる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
年頃節倹の功が現われてこの頃ではすこしは貯金たくわえも出来た事ゆえ、老耊としよッたお袋に何時までも一人住ひとりずみの不自由をさせて置くも不孝の沙汰さた、今年の暮には東京こっちへ迎えて一家を成して
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)