“せりあが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
糶上77.8%
迫上22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壇の上口あがりくち気勢けはいがすると、つぶしの島田が糶上せりあがったように、欄干てすり隠れに、わかいのがそっ覗込のぞきこんで
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この景色に舞台がかわって、雪の下から鴛鴦おしどりの精霊が、鬼火をちらちらと燃しながら、すっと糶上せりあがったようにね、お前さん……唯今の、その二人のおんなが、わっしの目に映りました。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひとりで苦笑にがわらひして、迫上せりあがつた橋掛はしがかりをるやうに、谿川たにがはのぞむがごとく、いけ周圍まはり欄干らんかんづたひ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みし/\と段階子だんばしごあがつて来るのが、底の知れない天井の下を、穴倉あなぐらから迫上せりあがつて来るやうで、ぱつぱつと呼吸いきを吹くさまに、十能の火が真赤な脈を打つた……ひややかな風が舞込まいこむので。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)