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しんじゆく
然まで
案ずる
事はあるまい。
交際のありがちな
稼業の
事、
途中で
友だちに
誘はれて、
新宿あたりへぐれたのだ、と
然う
思へば
濟むのであるから。
三日は孫娘を断念し、
新宿の
甥を
尋ねんとす。
桜田より
半蔵門に出づるに、新宿も
亦焼けたりと聞き、
谷中の
檀那寺を
手頼らばやと思ふ。
饑渇愈甚だし。
その東隣が後に
他家を買ひ
潰して広げた
新塾である。講堂の
背後が平八郎の書斎で、
中斎と名づけてある。