“しゃっつら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
者面33.3%
這面33.3%
這顔33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今も今母親の写真を見て文三は日頃喰付たべつけの感情をおこし覚えずも悄然しょうぜんと萎れ返ッたが、又悪々にくにくしい叔母の者面しゃっつらを憶出して又熱気やっきとなり、こぶしを握り歯を喰切くいしば
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「ハテそうしては彼娘あれが……」ト文三は少しくしおれたが……不図又叔母の悪々にくにくしい者面しゃっつら憶出おもいいだして、又憤然やっきとなり、「糞ッ止めても止まらぬぞ」ト何時いつにない断念おもいきりのよさ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
エエ、ままよこの人形の、艶かしい這面しゃっつらを、叩きのめし、手足をひっちぎってしまったなら、門野とてまさか相手のない恋も出来はすまい。
人でなしの恋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
わが作りたる者なれどあくまでおぼきったる珠運ゾッと総身の毛もたち呼吸いきをも忘れ居たりしが、猛然として思いかえせば、こったるひとみキラリと動く機会はずみに面色たちまち変り、エイ這顔しゃっつらの美しさに迷う物かは
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)