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しのはら
それは九月のなかばから
白面金毛九尾の狐が那須の
篠原にあらわれて、往来の旅びとを取り
啖うは勿論、あたりの
在家をおびやかして見あたり次第に人畜を
屠り尽くすので
それからは
霎時遠ざかつて
居たが、四十一
年六
月四
日に、
一人で
寺尾、
子安、
篠原、
大網、
樽、
駒岡の
諸遺跡を
過ぎて、
末吉に
掛つて
來ると、
這は
抑も
如何に、
這は
如何にである。
「
萩が花ずり」(衣がへせんや、わが衣は野原
篠原萩の花ずり)など歌っていた。