“さしつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
差付66.7%
鎖縶33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人はここで又もや組討くみうちを始めたが、若い重太郎は遂においたる父を捻伏ねじふせた。彼は母のかたきと叫びつつ、持ったる洋刃ないふを重蔵ののど差付さしつけたのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「はい。よく御覧なさい。」と以前の女が差付さしつける雑誌の挿絵。見れば、縁側に腰をかけている夫人風の女の姿で、「名士の家庭。」「創作家清岡進先生の御夫人鶴子さまのお姿。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
二人は松明を差付さしつけて窺うと、これは意外、幾百年を経たりとも見ゆる金のかぶとであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし彼は死んだのでは無かった。眼前めさきに蝋燭の火を差付さしつけられると共に、又もやきゃッと叫んで跳ね起きて、血だらけの顔を抱えながら岩から岩へ、何処どこへか飛んで行ってしまった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
鎖縶さしつされて逍遙城しょうようじょうれらるゝや、一日いちじつ帝の之を熟視するにあう。高煦急に立って帝の不意にで、一足いっそくのばして帝をこうし地にばいせしむ。帝おおいに怒って力士に命じ、大銅缸だいどうこうもって之をおおわしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)