“ごちゃごちゃ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雑然60.0%
紛々20.0%
雑然紛然20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其様そんな時にはあれは友禅メリンスというものだか、縮緬ちりめんだか、私には分らないが、何でも赤い模様や黄ろいかた雑然ごちゃごちゃと附いた華美はで襦袢じゅばんの袖口から、少し紅味あかみを帯びた、白い、すべっこそうな
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
の葉の騒ぐのとは思いながら、澄んだ耳には、聴き覚えのある皺嗄しゃがれた声や、快活な高声たかごえや、低い繊弱かぼそい声が紛々ごちゃごちゃと絡み合って、何やらしきりにあわただしく話しているように思われる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この雑然紛然ごちゃごちゃとした空気の中で、伊勢崎屋へ来て就く奥のチャブ台の前で、十年一日のような信仰に生きて来た真勢さんがそれとなく捧げる食前の祈祷に、人知れず安息日を守っているということは
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)