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けちみやく
永光寺の開山(名をきゝもらせり)
血脉をかの
淵にしづめて
化度し玉ひしゆゑ悪竜
得脱なし、その礼とてかの
墓石を
淵にいだして
死期を
示す。
永光寺の開山(名をきゝもらせり)
血脉をかの
淵にしづめて
化度し玉ひしゆゑ悪竜
得脱なし、その礼とてかの
墓石を
淵にいだして
死期を
示す。
永谷寺へ
入院の
住職あれば此
淵へ
血脉を
投げ入るゝ事
先例なり。さて此永谷寺の住職
遷化の
前年、此
淵より
墓の石になるべき
円き
自然石を一ツ
岸に
出す、
是を
無縫塔と名づけつたふ。
永谷寺へ
入院の
住職あれば此
淵へ
血脉を
投げ入るゝ事
先例なり。さて此永谷寺の住職
遷化の
前年、此
淵より
墓の石になるべき
円き
自然石を一ツ
岸に
出す、
是を
無縫塔と名づけつたふ。
都大路に世の榮華を
嘗め
盡すも、
賤が
伏屋に
畦の
落穗を
拾ふも、暮らすは同じ五十年の夢の朝夕。
妻子珍寶及王位、
命終る時に隨ふものはなく、
野邊より
那方の友とては、
結脈一つに
珠數一聯のみ。