“かなくそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鉄屑18.2%
鉄糞18.2%
金屎9.1%
金糞9.1%
鉄𨫃9.1%
鉱滓9.1%
銕滓9.1%
銕糞9.1%
鐵屎9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
間口二間奥行二間半ほどの、木造小舎である、この小舎の後ろから、穂高岳は、水の綺麗に澄んでいる池を隔て、鉄糞かなくそで固めたように、ドス黒く兀々ごつごつとして、穹窿形きゅうりゅうけいの天井を
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
金屎かなくそか人間かわからない死骸が、蚊のごとく、ばらばら落ちては壁下の空壕からぼりうずめた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、彼はまるで冶金家やきんかが、坩堝るつぼ金糞かなくその中から何かの金属でも探し出す様に、無雑作に、死人の歯を探し出して、別の小さな容器に入れていた。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これは石器時代の遺蹟から、ただちに鉄𨫃かなくその出る遺蹟に続いている場所の少からぬによっても察せられる。
これらの簇葉そうようのようなかたまりは炉のなかの鉱滓かなくそのように土堤にそうてよこたわり、自然がまだ内部においては「さかんに吹き分けられ」つつあることを示している。
屋久島などでもことに鍛冶かじの家が尊敬せられ、不思議な懐胎には必ず銕滓かなくそもらってきて、柳の葉とともに合せせんじて飲むことになっていたそうである。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その一は出雲・相模・下野などの地名に銕糞かなくそ塚というもの多くまた塚の附近もしくは土中より銕糞を出すことあり、今も鋳掛屋いかけやと称する徒には野外の一地に仮住してその業を営み
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
さうです?——まじりけのない粗金あらがねきたな鐵屎かなくそよりも遙かにいゝよ。あなたは私を疑つてるやうですね。私は自分を疑つてはゐない。私は、自分の目的が何か、動機どうきが何かといふことは知つてゐます。