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かぜひ
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母が
詞も
待たず
儀右衞門冷笑つて
聞かんともせずさりとは
口賢くさま/″\の
事がいへたものかな
父親に
薫陶れては
其筈の
事ながらもう
其手に
乘りはせぬぞよ
餘計な
口に
風引かさんより
早く
歸宅くさるゝが
宜さゝうなもの
誠と
思ひて
聞くものは
〔譯〕凡そ事に
眞是非有り、
假是非有り。假是非とは、
通俗の可否する所を謂ふ。年
少く未だ學ばずして、先づ假是非を
了し、後に
迨んで眞是非を得んと欲するも、亦入り
易からず。