“おんこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
温厚60.0%
御校6.7%
恩倖6.7%
恩光6.7%
温公6.7%
音溝6.7%
音耗6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当主の、福子の良人には父にあたるその人は、温厚おんこう一途いちずで、仕事の上のことでは、まだまだ隠居のの下にいた。
万年青 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
「ただ今邸内にこの者共が乱入致して……」と忠臣蔵のような古風な言葉を使ったが「本当に御校おんこうの生徒でしょうか」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
厚かましいお願だが、彼等の孤弱をあわれんで、今後とも道塗どうと飢凍きとうすることのないように計らって戴けるならば、自分にとって、恩倖おんこう、これに過ぎたるはい。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
皆悠々と小春の恩光おんこうもとに遊んで居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
近年、堂上を風靡ふうびしていると聞く異国の新しい学説の書だ。いわゆる宋学と申すもの。程朱ていしゅの新説とか、温公おんこうの通鑑などを読まぬものは、頭のふるい古公卿じゃといわるるそうな。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蓄音機の針をレコードの音溝おんこうの損所に追い込んでガーガーと週期的な不快な音を立てさせたり、あるいは、重要でない対話はガラス戸の向こう側でさせて、観客の耳を解放し
映画雑感(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一夕藩吏突トシテ至リ、家君ヲ以テ去リ吉田城ニ押送シ妻児ヲ谷中やなかノ別邸ニ幽ス。両地音耗おんこう全ク絶ユ。時ニ弘ナオ幼ナリ。出デヽ羣児ぐんじト戯ル。すなわチ皆ののしツテ曰ク汝ノ父ハ賊ナリト。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)