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おやいぬ
その
間を、
小犬たちは、
穴の
中から、
首をのばして、
母犬が、なにかうまいものを
持ってきてくれるのを、いまかいまかと
待っていました。
木影が
揺く。蛙が鳴く。
一寸耳をびちっと動かした
母犬は、またスヤ/\と夢をつゞける。
母犬は、だれにも、
気づかれない
間に、
小犬たちをつれて、そこからほど
隔たった、ある
森の
中に
引っ
越してしまいました。
母犬は、
自分が、
空腹を
感じているときでも、なにか
食べ
物を
見つければ、すぐに
子供たちのいるところへ
持ってきました。
「また、こんなやっかいなものを
産みやがった。」と、
主人はいって、
子供をみんな
河へ
流してしまいました。
親犬は、きちがいのようになって
探していました。