)” の例文
旧字:
なかなかそんな者ではありません。を低うして迎えるべき人物でさえあるのです。それだけでも大きな意義があるではありませんか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
読みて大尉たいゐ壮行さうかうわれともにするの感あり、此日このひよりのちことにして、此日このひ只一人たゞひとりうれしくて、ボンヤリとなり、社員にもせず
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
決して他人にこれを標示ひょうじするというような潜越せんえつな考えはありませんがたってとの御質問にしがたくてざっとお返辞へんじしましたまでです。
そしてこの昆虫がよい加減かげんみつを吸うたうえは、頭に花粉をつけたままこの花をし去って他の花へ行く。そして同じく花中へ頭を突き込む。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
君側の奸をはらわんとすと云うといえども、詔無くして兵を起し、威をほしいままにして地をかすむ。そのすなわち可なるも、其実は則ち非なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さっきからいかにをひくうし、礼を厚うして出廬しゅつろをうながしても、作爺さんの作阿弥は、いっかな、うんと承知しません。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
一枝ひとえだかつられ、一輪いちりんはなめ。なんぞみだりにつまあだして、われをしてくるにところなく、するにすべなからしむる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
代助は其九時頃平岡のいへした。するまへ、自分の紙入かみいれなかるものをして、三千代にわたした。其時は、はらなかで多少の工夫くふうついやした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
糟谷かすやはがらにないおじょうずをいったり、自分ながらひやあせのでるような、軽薄けいはくなものいいをしたりして、なにぶんたのむを数十ぺんくりかえしてした。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
著名ちょめいの学者のふでになる「はえにくむの」が現代的科学的修辞しゅうじかざられて、しばしばジャーナリズムをにぎわした。
蛆の効用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ぼくは大統領のしょくそうと思うよ、ぼくが現職にあるために連盟の平和をみだすようになっては心苦しい。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
子供の時かられた職業であるからいまさら転職するのも好まぬし、よしまた金がらぬというてわが輩がしたならば、実際のところ社長にあたる人がない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そうしてほどなく或人あるひと世話せわ郡立学校ぐんりつがっこう教師きょうしとなったが、それも暫時ざんじ同僚どうりょうとは折合おりあわず、生徒せいととは親眤なじまず、ここをもまたしてしまう。そのうち母親ははおやぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大分楽になった訳で、それでヤクの尾で拵えた繩でその羊の首をくくって自分も荷物を背負って、そこの家をしてカン・リンボチェの方向に進んで行くことにした。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
百樹もゝき曰、芭蕉居士こじは寛永廿年伊賀の上野藤堂新七郎殿のはんに生る。(次男なり)寛文六年歳廿四にして仕絆しはんし、京にいでゝ季吟きぎん翁の門に入り、しよ北向雲竹きたむきうんちくまなぶ。
仁田にた峠の展望を素晴らしいといった私は、普賢の展望を何と形容していいか、なきに苦しむ。この眺望に接した私の歓喜を、この法悦境をどういい表わしたらいいであろう。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
彼等は久しく芝生の縁代えんだいで話した。M君がし去ったのは、夜もけて十二時近かった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そして、たかくらいのぼりましたが、大将たいしょうは、また一めんにおいて人情にんじょうにもふかかったひとで、んだ人々ひとびと同情どうじょうせられて、ついに大将たいしょうしょくして、隠居いんきょされたということであります。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
官をして護衛警察官が退却たいきゃくし、のびのびと手足をのばして好い気になっていたとたん、二月二十六日の朝、雪降る中にトラックに乗った警察官の一群が寝込ねこみをついてやって来た。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
兄の二郎とはことに仲よしで、兄のためには水火もせぬ愛情を持っていました。……
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
れば瘠我慢の一主義はもとより人の私情にいずることにして、冷淡れいたんなる数理より論ずるときはほとんど児戯じぎに等しといわるるも弁解べんかいなきがごとくなれども、世界古今の実際において
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
俊亮もつい気持よく盃を重ねて、九時近くに大巻の家をした。彼は自転車で寒い風を切りながら、きょうの訪問が決して無駄ではなかったと思い、重荷をひとつおろしたような気がした。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「田舎箱根あにさんやだ。三輪君に子授こさずけ観音へ参詣させる為めにはだね」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
私たちがして帰ろうとすると
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かくまたはず、してる。
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
かれ告別こくべつに言へりけり
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いや、そんなことがなくっても、思いやりのふかい伊那丸と、侠勇勃々きょうゆうぼつぼつたる一党の勇士たちは、かならずや、咲耶子の味方となることをせぬであろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主人もことばのかぎりをつくして同情どうじょうした。しんせつな安藤はともかくも治療ちりょう見込みこみがすこしでもあるならば、一日も見てはいられぬといってった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
いかに国家の命令とはいえ、役人にして国家の為す所にに落ちぬことがあれば、その命令をこばむことは出来なくとも、自分より進んで職をすることは出来る。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
百樹もゝき曰、芭蕉居士こじは寛永廿年伊賀の上野藤堂新七郎殿のはんに生る。(次男なり)寛文六年歳廿四にして仕絆しはんし、京にいでゝ季吟きぎん翁の門に入り、しよ北向雲竹きたむきうんちくまなぶ。
開天行道肇紀立極大聖至神仁文義武俊徳成功高かいてんこうどうちょうきりつきょくたいせいししんじんぶんぎぶしゅんとくせいこうこう皇帝の諡号しごうそむかざる朱元璋しゅげんしょうあざな国瑞こくずいして、その身は地に入り、其しんくうに帰せんとするに臨みて、言うところ如何いかん
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かれ半年はんとし無職むしょく徘徊うろうろしてただパンと、みずとで生命いのちつないでいたのであるが、その裁判所さいばんしょ警吏けいりとなり、やまいもっのちにこのしょくするまでは、ここにつとめっていたのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかは、午前ごぜんうち爪皮つまかは高足駄たかげた外套ぐわいたうしづくしたゝ蛇目傘ぢやのめがさくも濡々ぬれ/\としたありさまで、(まだ四十にはがあるのに、わかくしてした)香川かがは或素封家あるそはうか婿むこであつた
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
縁はなもので、ゴルドン伝を書いた翌々年「寄生木やどりぎ」の主人公から突然「寄生木」著作の事を委托いたくされた。恩人たる乃木将軍の為めにと云う彼のであった。余は例に無く乗地のりじになって引受けた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
結城邸をした私は、猟奇者の常として、何となく例の古井戸が気にかかるものだから、そこの空地を通って、存分井戸の側を眺め廻し、それからあの犬の足跡が消えていた小砂利こじゃりの多い道路に出て
何者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「そうだ、ぼくは自分の重大な責任をのがれようとした、信頼されたら水火すいかをもせないのが、日本人の気性きしょうだ、困難こんなんがかさなればかさなるほど、それにたえて打ち破ってゆかなければならないのだ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
自分はここにいたって、ほとんど慰藉いしゃに窮した。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むかしは、宰相さいしょうして人のためにえんにそそいだという話があるが、花前はそれにすべき感がある。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
別間べつまでたくさんな馳走ちそうをされ、鞍馬くらまでは食べつけない珍味の数々を、はしあごのつづくかぎりたらふくつめこみ、さて、例の棒切ぼうきれ一本さげて、飄然ひょうぜんとここをしてかえる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みかど亭子院ていじゐん朝覲てうきんのをりから御内心をしめし玉ひしに 帝もこれにしたがひ玉ひ、其日 菅神を亭子院にめして事のよしを内勅ないちよくありしに 菅神かたくしたまひしにゆるし玉はざりけり。
することの出来でき院長いんちょうは、かくしから十せんしてかれる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
みかど亭子院ていじゐん朝覲てうきんのをりから御内心をしめし玉ひしに 帝もこれにしたがひ玉ひ、其日 菅神を亭子院にめして事のよしを内勅ないちよくありしに 菅神かたくしたまひしにゆるし玉はざりけり。
それ以上、強いることばも、いさめるもなく、孔明は口をつぐんだ。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)