“濡々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬれぬれ77.8%
ぬれ/\22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……手拭を口に銜(くわ)えた時、それとはなしに、面(おもて)を人に打蔽(うちおお)う風情が見えつつ、眉を優しく、斜(ななめ)だちの横顔、瞳の濡々(ぬれぬれ)と黒目がちなのが、ちらりと樹島に移ったようである。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
という、斜(ななめ)に見える市場の裏羽目に添って、紅蓼(べにたで)と、露草の枯れがれに咲いて残ったのが、どちらがその狐火(きつねび)の小提灯(こじょうちん)だか、濡々(ぬれぬれ)と灯(とも)れて、尾花に戦(そよ)いで……それ動いて行く。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
膚(はだへ)が衣(きぬ)を消(け)すばかり、其(そ)の浴衣(ゆかた)の青(あを)いのにも、胸襟(むねえり)のほのめく色(いろ)はうつろはぬ、然(しか)も湯上(ゆあが)りかと思(おも)ふ温(あたゝか)さを全身(ぜんしん)に漲(みなぎ)らして、髮(かみ)の艶(つや)さへ滴(したゝ)るばかり濡々(ぬれ/\)として、其(それ)がそよいで
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
然(しか)も其(そ)の日(ひ)は、午前(ごぜん)の中(うち)、爪皮(つまかは)の高足駄(たかげた)、外套(ぐわいたう)、雫(しづく)の垂(したゝ)る蛇目傘(ぢやのめがさ)、聞(き)くも濡々(ぬれ/\)としたありさまで、(まだ四十には間(ま)があるのに、壮(わか)くして世(よ)を辞(じ)した)香川(かがは)と云(い)ふ或素封家(あるそはうか)の婿(むこ)であつた
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)