𢌞めぐら)” の例文
何卒御返濟いたし度、色々手段を𢌞めぐらし候得共、頓と御返べん之道も不相付而已のみならず、利息さへもわづか一年ぐらゐ差上候而已のみにて、何とも無わけ仕合に御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
世には斯かる氣高けだかき美しき女子をなごも有るもの哉と心ひそかに駭きしが、雲をとゞめ雲を𢌞めぐらたへなる舞の手振てぶりを見もて行くうち、むねあやしう轟き、心何となく安からざる如く
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
と云つて散歩すべき處もない。堀端ほりばたを眞直に歩いて行けば、あの不愉快な銅像の立つてゐる九段坂へ出なければならぬと氣がついて、其れを避けるために、自分は急に半藏門の方へきびす𢌞めぐらした。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)