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X
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エッキス
ふりがな文庫
“
X
(
エッキス
)” の例文
その健康に多少支配されなければならない彼の精神状態にも冷淡ではあり得なかった。要するに兄の未来は彼らにとって、恐ろしい
X
(
エッキス
)
であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
窟の入口には薄黒い獣の
生皮
(
なまかわ
)
を敷いて、
X
(
エッキス
)
という字のように組まれた枯木と
生木
(
なまき
)
とが、紅い
炎焔
(
ほのお
)
や白い
烟
(
けむり
)
を噴いていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一次方程式、二次方程式、簡単なのは
如何
(
どう
)
にかなっても、少し複雑のになると、
A
(
エー
)
と
B
(
ビー
)
とが
紛糾
(
こぐら
)
かって、
何時迄
(
いつまで
)
経
(
た
)
っても
X
(
エッキス
)
に
膠着
(
こびりつ
)
いていて離れない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
サア、その
X
(
エッキス
)
の実数を云って下さい。降矢木旗太郎……たしかに。いや、いったいそれは誰のことなんです?
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「さてはや、何でげすえ御到来物は。」と円輔は
洋燈
(
ランプ
)
の方へ顔を突出し、源次は柱に
天窓
(
あたま
)
を着けて片陰で
仰向
(
あおむ
)
いた、この両人、
胴中
(
どうなか
)
を入違いに、長火鉢の前で形が
X
(
エッキス
)
。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
人の
身体
(
からだ
)
は形が見えます。手足胴体触ればわかるよ。五臓六腑も
解剖
(
ひら
)
けば見えます。打診、聴診、
X
(
エッキス
)
光線。ピルケ反応、血液検査と。数をつくした診察道具じゃ。たとい何やら解らぬ病気や。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
僕達も十
把
(
ぱ
)
一
(
ひと
)
からげの連中とは選を
異
(
こと
)
にしている積りだ。同僚の多くは、寄ると触ると、
X
(
エッキス
)
の次の話をする。俸給の上らない不平をこぼす。他に能がない。そういうのに較べると、僕達は大いに違う。
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)