しよ)” の例文
また味加減をつけるにも、例の口喧くちやかましい伯の事とてひとばい講釈はするが、舌は正直なもので、何でもしよつぱくさへして置けば恐悦して舌鼓したつゞみを打つてゐるといふ事だ。
孤独はしよつぱくて、岩塩かなんぞのやうに手荒くある。実験室の甘汞カロメルよりも、もつと白いものであるかもしれぬ。——ゆふぐれの中で、求道ぐどう者の匂ひの漂ふ、和蘭陀石竹。かげつた邈漠たる、その色。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
塩引鮭の肉汁スウプといふのは、名前通りに塩鮭の切身をとろ火で煮出した汁である。手つ取り早く言ふと安官吏の油汁あぶらじるのやうに脂つ気の薄い、しよつぱい水気みづけ沢山たくさんなものだが、訥子は
しよつぱいな」
小壺狩 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)