しやけ)” の例文
お上の眼はくらませても俺の眼は誤魔化ごまかせねえ。あの水の中で、しやけのやうに腹を裂かれて死んだお松だ、一緒に水槽にひたつてゐたお前が殺さなくて、誰が殺すんだ
二三度んで見たが、阿母さんは桃枝もヽえおぶつて大原へ出掛けて居無かつた。貢さんは火鉢の火種ひだね昆炉しちりんに移し消炭けしずみおこして番茶ばんちや土瓶どびんわかし、しやけを焼いて冷飯ひやめしを食つた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
山猫は、しやけの頭でなくて、まあよかつたといふやうに、口早に馬車別当に云ひました。
どんぐりと山猫 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
しやけでも焼いといて貰はうか。
動員挿話(二幕) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
しやけさげて小走こばしりの
霜夜 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)