魏延ぎえん)” の例文
魏延ぎえん、雷同を両翼とした態勢もよかったのだ。逃げ足立った敵を追いまくり、切りふせ、蹴ちらして、凱歌は到るところにあがった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何をっ——」と一声、わめき返すや否、魏延ぎえんの兵を追い散らした。魏延はちょっと出て、槍を合わせたが、すぐ偽り負けて逃げ奔った。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これはかねて、お耳に入れておいた魏延ぎえんです。善政の初めに、魏延の功にも、ご一言なりと下し給わらば有難うぞんじまする」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明はまず魏延ぎえん趙雲ちょううんの兵に命じて城下へ迫らせ、一当て当ててみたが、さすがに城は固く、蛮軍とはいえここの兵もまた精鋭であった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それまでに云うならば」と、すなわち張飛に参加をゆるしたが、孔明は、入念にも、その先鋒には魏延ぎえんを附し、後陣には、玄徳を仰いだ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何の怖るる敵でもなし、われわれが当って、魏延ぎえんを蹴ちらす間に、お父上は軍勢を督して、谷中へ火を放ち、すぐ外へお引き上げ下さい」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仰げば、蜀の旌旗せいきばかりではないか。城頭には蜀の大将魏延ぎえんが、射よ射よと声をからして、乱箭らんせんを励ましている姿も見える。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何処へ向って行くのか、趙雲、魏延ぎえんは各五千騎を持ち、そのほか、王平や関索かんさくなども一手の兵をひきいて、翌朝はやく本陣から別れて行った。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
魏延ぎえんは予定のことなので、戦っては敗れ、戦っては敗れと見せかけながら、第三の白旗、第四の白旗と、敗退地点をたどって、退却をつづけた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誰かと見れば、魏延ぎえんである。序戦の勝敗は大局に影響する。なんぞ老将の手を借らんやと、魏延は気を吐いて、切に自身先鋒たらんことをねがった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この人、面はで塗ったなつめの如く、目は朗らかにして巨きな星に似ていた。生れは義陽。魏延ぎえんあざな文長ぶんちょうという。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
桟道さんどうけんで野心家の魏延ぎえん誅伐ちゅうばつした楊儀も、官をがれて、官嘉かんかに流され、そこで自殺してしまった。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「かねてのおさしずは、魏延ぎえんどのにとくと申し含めてあります。きっとうまくやるでしょう」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうした玄徳同情者のうちでも最も堂々たる名乗りをあげた魏延ぎえんは、張允ちょういん文聘ぶんぺいなどに取囲まれて、部下の兵はほとんど討たれてしまい、ただ一騎となって、こくからひつじの刻の頃まで
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
姓は魏延ぎえんあざな文長ぶんちょう、突如味方のなかから激声をあげて
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)