驚破すわや)” の例文
と呼んだのが、驚破すわや事ありげに聞えたので、手んぼうならぬ手を引込ひっこめ、不具かたわの方と同一おなじ処で、てのひらをあけながら、据腰すえごしで顔を見上げる、と皺面しわづらばかりが燭の影に真赤まっかになった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
驚破すわや、白は紫を後に残して、真先に進む源をも抜かんとする気勢けはいを示して、背後に肉薄して来た。「青」、「白」の声は盛に四方から起る。源も、白も、馬にむちうって進みました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
驚破すわやと奥で起直って、早や身構みがまえをしたと見える——あわただしい耳にも、なおがったりと戸棚の前の怪しげなひびきがまた聞えたのに、たまりかねて主人あるじを呼ぶと——向うへ、突当りの縁が折曲った処に
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
驚破すわやと二人。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)