馳着はせつけ)” の例文
刺し去より後藤は夫婦の者に向ひヤレ/\危き事でありしが最早もはや我等が馳着はせつけたる上は心安く思はるべしされど御浪人には強き怪我けがもなかりしやと云に夫婦の者は大いによろこいづれの御方かは存ぜねどもはからず我々が危難きなん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いづれに居らるゝやといひければ亭主八五郎然ればなり其病人と申は多分たぶん今晩こんばん旅人りよじんに怪我のあるはずゆゑ急度きつと今に參るならんといふに醫師は大いに不審いぶかり然樣か夫は餘り手廻てまはすぎたりシテ其怪我人のあらんと云事は如何のわけなりやと申ければ八五郎は浪人夫婦の事より後藤半四郎がたすけ馳着はせつけし始末等委細ゐさいに物語りなどして居たりしが亭主は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)