トップ
>
馭者台
>
ぎょしゃだい
ふりがな文庫
“
馭者台
(
ぎょしゃだい
)” の例文
粗末な箱型をしたものに、
幌
(
ほろ
)
とはほんの名ばかりの、継ぎはぎだらけの
鼠
(
ねずみ
)
いろの布を
被
(
おお
)
っただけのものである。
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
なんぞもない。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
には
野兎
(
のうさぎ
)
が長い耳をたらしてぶらさがっていたが、これは遠方の友人がこれから行われる
饗宴
(
きょうえん
)
のために贈ったものであろう。
駅馬車
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
馬車がようよう止まると、馬丁は
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
から飛び降りて来た。外国婦人も降りて来た。私たちの車夫も駈け寄った。往来の人もあつまって来た。
御堀端三題
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
馬車は
輪鉄
(
わがね
)
の音をやかましくあたりに響かせながら近附いて来た。いつもの、
聾
(
つんぼ
)
の
爺
(
じい
)
さんが
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
にのっていた。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
どの車にも、
軟
(
やわらか
)
い
鼠色
(
ねずみいろ
)
の帽の、
鍔
(
つば
)
を下へ曲げたのを
被
(
かぶ
)
った男が、
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
に乗って、
俯向
(
うつむ
)
き加減になっている。
沈黙の塔
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
赤と青の角燈の光が、彼のうしろから虹のように投射して
掠
(
かす
)
め去った。トム公は、それが本社の表口を離れた馬車だと知ると、まッしぐらに追いかけて、
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
へとびついた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかたがありませんから、馬車の前の
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
の処にお爺さんと並んで乗って、ヒョロ子だけ中に這入らせようとしますと、天井が低いので、ヒョロ子がしゃがんでも頭が
支
(
つか
)
えます。
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
馬車が前を通るとき
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
の上を見ると、木之助は、おやと意外に感じた。そこに乗っているのは長年
見馴
(
みな
)
れたあの
金聾
(
かなつんぼ
)
の
爺
(
じい
)
さんではなく、頭を
時分
(
ときわ
)
けにした若い男であった。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
馭
漢検1級
部首:⾺
12画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
台
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
“馭者”で始まる語句
馭者
馭者座