くびき)” の例文
われはこれ、魏王の命をうけて、汝の父の首を取りにきた者で、汝のようなまだ襁褓おしめのにおいがするような疥癩かいらいの小児を、くびきりに来たのではない。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもうに彼の君はずかしめられ臣死するの一時に際し、靦然てんぜんとして幕府に恭順を唱え、志士をくびきりて幕軍の轅門えんもんに致したる、俗論党の故郷として、充分の価値ありというべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そのお蔭で色々な失策エラーを連発して、方々で首種くびだねが尽きるくらいくびきられ続けながらノコノコサイサイ生き永らえて来たものであるが、今度という今度ばっかりはそうは行かない。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
大先生、おなつかしゅうございますな。ところで、この某国大使館では近々先生のくびきるという話を御書面ごしょめんで承知しましたが、けしからんですなあ。私がこれから某国大使に会いまして、それを
「今度は何だい。またくびきられんようにした方がいいぜ」
歩む (新字新仮名) / 戸田豊子(著)
「この際、侯成のごとき得難い大将をくびきるのは、敵に歓びを与え、味方の士気を損じるのみで、実に悲しいことです」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淮南わいなん袁術えんじゅつのほうへは、早くも使臣の韓胤かんいんが、許都の辻でくびきられたという取沙汰がやかましく伝えられていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
というて、くびきらんか、越後表にも、甲府の隠密や信玄公が一類の者、何十人か捕え置いてあれば、いつでもその者共の首を斬って、お酬い申すことができる。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「沿道の百姓どもが、道の清掃を怠って、小石を残しておいたからだろう。見せしめのため、村長むらおさくびきれ」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もし、それに欠くる場合は、直ちに、くびきられた。監督者たる各藩の士は、責めをまたず腹を切った。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よくよく調べてみると、案に相違して、使者はくびきられてしまったということがわかった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、あわせて、この儀もしかと、筑前どのへ御念を押しておかれたい。山名の二臣は、飽くまでくびきることはならん。この城の守将は吉川経家なり。守将の責任は一切を負うもの。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その日、半日だけで、くびきった敵屍体の数は、一万余と称せられた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、胡赤児を叱咤しったし、その場ですぐ彼をもくびきってしまった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よしっ、おれはやる。必ず、老賊をくびきってみせる」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よろしくふたりの敗将をくびきって街門にさらすべしだ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことごとくくびきるから左様心得ておくがいい。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一銭を掠奪してもくびき
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)