飼桶かいおけ)” の例文
三頭の馬が、一つの飼桶かいおけに首を入れて、えさを争い喰っているそんな夢を見たのである。朝になって、賈詡かくへそのことを話すと、賈詡は笑って
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはある農家に隠し、馬小屋のわらの中に馬と共に置いたが、人目については困るというのでまぐさ飼桶かいおけをかぶせて置いた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
牛の前には赤飯を盛った盆が供えられ、そのわきになみなみと「産ぶ湯」の水をたたえた飼桶かいおけが置いてあり、その水にかげがあかく映っていた。
それからすすびた壁の上にも、今夜だけは十字架くるすが祭ってある。最後に後ろの牛小屋へ行けば、ぜすす様の産湯うぶゆのために、飼桶かいおけに水がたたえられている。
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
別当は馬の手入をしまって、ひづめに油を塗って、勝手口に来た。手には飼桶かいおけを持っている。主人に会釈をして、勝手口に置いてある麦箱のふたを開けて、麦を飼桶に入れている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
牡牛のうめき声、子牛の鳴き声等あいこんじてにぎやかである。いずれもいずれも最後の飼葉かいばとしていま当てがわれた飼桶かいおけをざらざらさも忙しそうに音をさせてねぶっている。主人は雇人やといにん
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)