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飢寒
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きかん
ふりがな文庫
“
飢寒
(
きかん
)” の例文
法城は
呪詛
(
じゅそ
)
の炎に焼かれざるはなく、百姓、商人、
工匠
(
たくみ
)
たちの
凡下
(
ぼんげ
)
は、住むべき家にも
惑
(
まど
)
い、
飢寒
(
きかん
)
に泣く。——まず、そうした世の中じゃ。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その子は今日
家内
(
かない
)
の一人にして、これを手離すときはたちまち
世帯
(
せたい
)
の差支となりて、親子もろとも
飢寒
(
きかん
)
の
難渋
(
なんじゅう
)
まぬかれ難し。
小学教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その
平生
(
へいぜい
)
涵養
(
かんよう
)
停蓄
(
ていちく
)
する所の智識と精神とに
因
(
よ
)
るべきは
勿論
(
もちろん
)
なれども、妾らを以てこれを考うれば、むしろ
飢寒
(
きかん
)
困窮
(
こんきゅう
)
のその身を
襲
(
おそ
)
うなく、
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
のその心を痛むるなく
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
かの女の行方をさがすための、恋の苦労と思うと、
飢寒
(
きかん
)
も、ものの数ではない。恥をつつむ
破
(
や
)
れ編笠も、自分だけには、恥でない気がした。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身内びいきは、入道の大きな短所にちがいなかったが、それは彼が、幼少から余りに
飢寒
(
きかん
)
を骨身に知って来たせいであろう。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
と共に、あらゆる
飢寒
(
きかん
)
や
辛酸
(
しんさん
)
との闘いも心ゆるんで、骨も肉も、筋も、いちどにばらばらに
解
(
ほぐ
)
れるかのような気もちになり、どたっと、そこへ坐ってしまった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“飢寒”の意味
《名詞》
飢 寒(きかん)
飢えと寒さ。
(出典:Wiktionary)
飢
常用漢字
中学
部首:⾷
10画
寒
常用漢字
小3
部首:⼧
12画
“飢”で始まる語句
飢
飢饉
飢餓
飢渇
飢死
飢民
飢饉年
飢餲
飢凍
飢人