風来ふうらい)” の例文
文章は、上巻の方は、三風来ふうらい全交ぜんこう饗庭あえばさんなぞがごちゃ混ぜになってる。中巻は最早もう日本人を離れて、西洋文を取って来た。
予が半生の懺悔 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ただしの「岩」こと岩丘いわおか岩九郎はその物凄ものすごい腕前をもって、単なる風来ふうらいギャングとしてでなく、或る有力者を脅迫し相当大ぴらに行動していた。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
昨秋からは追うてもてゝも戻って来る、いまだ名無しの風来ふうらいの牝犬も居る。然し愚な鈍な弱い白が、主人夫妻にはいつまでも忘られぬのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
今から四十年前に小説復刻の元祖たる南伝馬町てんまちょう稗史はいし出版社に続いて馬琴の『俊寛僧都しゅんかんそうず島物語』や風来ふうらいの『六々部集』を覆刻したので読書界に知られた印刷所であった。
これも人が乗つてゐたが、私はその側へ走り寄つて、若し下で風来ふうらいにでも出会つたら、此処まで上つて来てくれるやうにと車夫に言伝を頼んだ。車夫は返事もせずに駆け去つた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
すかし屁のり元同然日本における屁の故事をつまびらかにせねど、天正十三年千葉新介が小姓に弑せられたは屁を咎めしに由り、風来ふうらいの書いた物に遊女が放屁を恥じて自殺せんとするを
フン、こんな風来ふうらいアパートなんて燃えてなくなれだ! 出窓で、グツグツ御飯を炊いていると、窓下の画塾では、夜学もあるのか、カーテンのかげから、コンテを動かしている女の人の頭が見える。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「困った風来ふうらいだ。まったくナ」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬琴に限らず風来ふうらいなぞも戯作に遊んだが作者の仲間附合はしなかったので、多少の見識あるものは当時の作者の仲間入りを欲しなかったのみならず作者からもまた仲間はずれにされたのである。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)