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頽然
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たいぜん
ふりがな文庫
“
頽然
(
たいぜん
)” の例文
六十一というにしては、ひどく
頽然
(
たいぜん
)
としていますが、これが半生金儲けに熱中して、石原町の鬼と言われた人間の死顔とも思われません。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
今は
凄
(
すさま
)
じく荒れ果てて器具も調度も
頽然
(
たいぜん
)
と古び
御簾
(
みす
)
も
襖
(
ふすま
)
も引きちぎれ部屋に不似合いの塗りごめの
龕
(
がん
)
に二体立たせ給う
基督
(
キリスト
)
とマリヤが
呼吸
(
いきづ
)
く気勢に折々光り
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
端正どころか、これだと、しごきで、
頽然
(
たいぜん
)
としていた事になる。もっとも、おいらんの心中などを書く若造を
対手
(
あいて
)
ゆえの、心易さの
姐娘
(
あねご
)
の
挙動
(
ふるまい
)
であったろうも知れぬ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
七十歳を越したパデレフスキーには、もはやテクニックに見るべきものもなく、その演奏には
頽然
(
たいぜん
)
たる趣さえあるのである。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
当時私たちはカサルスを、世界第一のチェリストであり、六十歳以上の
頽然
(
たいぜん
)
たる老人とばかり思い込んだのである。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
▼ もっと見る
思ひの外
穩
(
おだ
)
やかな死顏です。六十一といふにしては、ひどく
頽然
(
たいぜん
)
としてゐますが、これが半生金儲けに熱中して、石原の鬼と言はれた人間の死顏とも思はれません。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
七十以上の
頽然
(
たいぜん
)
たる年輩でありながら、これほど気魄のある演奏が出来るのは、真に驚くべきである。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
病床に半身を起したのは、
頽然
(
たいぜん
)
たる主人です。
肝
(
かん
)
の病で久しく寝ていたのが、三日前怒りに任せて奥方を折檻し、引続く心痛に疲れ果てて、物を言うのもおっくうそう。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
病床に半身を起したのは、
頽然
(
たいぜん
)
たる主人です。
肝
(
かん
)
の病で久しく寢て居たのが、三日前怒りに任せて奧方を折檻し、引續く心痛に
疲
(
つか
)
れ果てて、物を言ふのもおつくふさう。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
幸にして私共は祖師岡本綺堂先生を
祀
(
まつ
)
るの機運に恵まれた。先頃の「半七祭」を契機に、私は捕物作家としての仕事は終っても
宜
(
い
)
い。私はもう古稀に近い
頽然
(
たいぜん
)
たる老人だ。
捕物小説のむずかしさ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、浅草橋の御見附を越して、浜町の方へトボトボと
辿
(
たど
)
って行く男巡礼、
頽然
(
たいぜん
)
とした六十恰好の老爺に、何の不思議があろうとも、ガラッ八の八五郎には思えなかったのです。
銭形平次捕物控:084 お染の歎き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
番頭の佐助は六十を四つ五つ越したらしい、
頽然
(
たいぜん
)
たる老人で、腰の曲つた、皺だらけな、——一生を帳場格子の中で暮して、
算盤
(
そろばん
)
以外の事は、あまり興味を持つてゐないと言つた人柄でした。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
番頭の佐助は六十を四つ五つ越したらしい、
頽然
(
たいぜん
)
たる老人で、腰の曲った、
皺
(
しわ
)
だらけな、——一生を帳場格子の中で暮して、
算盤
(
そろばん
)
以外の事は、あまり興味を持っていないといった人柄でした。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
頽
漢検1級
部首:⾴
16画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“頽”で始まる語句
頽
頽廃
頽勢
頽廃的
頽齢
頽廢
頽唐
頽雪
頽廢堂
頽折