あご)” の例文
柿色の篠掛しのかけを着けた、面長おもながな眼の鋭い中年の修験者は、黒い長い頭髪を切ってあごのあたりで揃えておりました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『大智度論』には〈如意珠仏舎利よりづ、もし法没尽する時、諸舎利、皆変じて如意珠とる〉。『類函』三六四、〈『潜確類書』に曰く竜珠あごにあり蛇珠口にあり〉。
家の者が来て火をけた。周の容貌は変じて成となっていた。周はもとひげが多かった。周は手をやってあごをなでてみた。そこには幾莖すうほんの髭がまばらに生えているのみであった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
こう云いながら叔父は、そこに黙って坐っている叔母の方を、あごでしゃくって見せた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
Kは雑誌をつまさぐりながら、あごで向うを指し示して
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
その時周はうとうとしたが、それと共に自分と成とが位置をえたような気がした。周はふしぎに思ってあごをなでてみた。そこには髭の多いもとの自分の頷があった。周は安心した。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
赤藪鶏と近く棲む所では間種を生ずれど、それもまた種を続けず。第三にセイロン特産のシンガリース藪鶏、また家鶏に似るが、胸赤く、冠黄で、縁赤く、頬とあご垂嚢すいのうが紫赤し。