青坊主あおぼうず)” の例文
家はつぶされ、法律上の妻には出て往かれ、今は実家の厄介やっかいになって居るひささんが、なに発心ほっしんしてか今日はまる/\の青坊主あおぼうずって、手拭肩に独ぶら/\歩いて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と、声の下で、ささやきつれると、船頭が真先まっさきに、続いて青坊主あおぼうずつにつたのである。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
六つになる子供をおぶってる。たしかに自分の子である。ただ不思議な事にはいつの間にか眼がつぶれて、青坊主あおぼうずになっている。自分が御前の眼はいつ潰れたのかいと聞くと、なに昔からさと答えた。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おれはくるくる青坊主あおぼうず
あんずの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
青坊主あおぼうずは、異変を恐れて、船頭に敬意を表した。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
青坊主あおぼうずがひよろ/\と爪立つまだつて逃げあるく。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)