霽月せいげつ)” の例文
イヤ疑いは人間にあり、天にいつわりなきものをと。この句ほど高遠雄大にして光風霽月せいげつの如きものが滅多めったにありましょうか。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
『猫は元来一ぴつにして、敵味方を争うは迷妄めいもうのもと。これさえ切れば光風霽月せいげつ、手をとってともに山中を行く、これを切るには不動智をもってすべし』
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とはいへ、そこは大人物の内閣で、右から左へ曲るぐらゐにこだはる量見はないのですから、光風霽月せいげつと申しますか、水従方円器と申しますか、明鏡止水の心境です。
露の答 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
これに反してイエスは、公の問題ではあくまで祭司学者たちを痛罵つうばし給うたが、私的には光風霽月せいげつ、己を滅ぼそうと陰謀する敵に対してすら何の含むところ怨むところもありません。
草木に対していれば何の憂鬱も煩悶も憤懣もまた不平もなく、何時も光風霽月せいげつでその楽しみいうべからずです。まことに生まれつき善いものが好きであったと一人歓び勇んでいるのです。
折節松山中学校に教鞭きょうべんを取りつつあった夏目漱石氏の寓居に同居し、極堂きょくどう愛松あいしょう叟柳そうりゅう狸伴りはん霽月せいげつ不迷ふめい一宿いっしゅくらの松風会員諸君の日参して来るのを相手に句作にふけったのであったが
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
それから若手では村上霽月せいげつ氏もこの頃から俳句を始めて、これは以前に東京へ出て書生をしていた頃、私が学校の証人に立っていた関係から、子規氏よりも私に俳句を示されたのが始まりで
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
両派は毫も互にさしはさむ所なく、手を携えて法典の編纂に従事し、同心協力して我同胞に良法典を与えんことを努めたるが如き、もってその心事の光風霽月せいげつに比すべきものあるを見るべきである。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
不意に、かんからと大笑すると、光風霽月せいげつな声音でいいました。
そうかといって、情から離れ去った光風霽月せいげつの身の上でもない。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私はその当時の実境を目撃したわけではないが、以前子規居士から聞いた話や、最近国へ帰って極堂きょくどう霽月せいげつらの諸君から聞いた話やを綜合して見ると、大体その時の模様の想像はつくのである。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
村上霽月せいげつ来小会。
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)