露霜つゆじも)” の例文
しひの木の姿は美しい。幹や枝はどんな線にも大きい底力を示してゐる。その上枝をよろつた葉も鋼鉄のやうに光つてゐる。この葉は露霜つゆじもも落すことは出来ない。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
けどけどはぬいもゆゑひさかたのあめ露霜つゆじもれにけるかも 〔巻十一・二三九五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
或いは「露霜つゆじもの小村にかねたたき入る」という念仏旅行者の物悲しさ、さては万日千日の群衆心理、里の祭の日にばかりよみがえった童心など、説いてみ考えてみたいことは色々ある。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
露霜つゆじもにわれのへてこし艸の路
一点鐘 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
置く露霜つゆじもに得もへず
秋萩あきはぎえだもとををに露霜つゆじもさむくもときはなりにけるかも 〔巻十・二一七〇〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
露霜つゆじもくぼくたまる馬の血 嵐雪らんせつ
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)