雑作ざふさ)” の例文
旧字:雜作
一般いつぱんの種々な物事を見てゐても、日本では革命かくめいなんかも、存外ぞんぐわい雑作ざふさなく行はれて、外国で見る様な流血革命のさんを見ずに済む様な気がする。
拊掌談 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一体、君は山木の娘の一件をうするんだ、山木に直接に言ふのは雑作ざふさもないが、かく妻にするものを
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
其の後お房は些とした機會きくわい雑作ざふさなく手を握らせて呉れた。雖然、其の製作はあひ変らず捗取はかどらぬ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「旦那雑作ざふさもないこつてす。たつた三本だけ庭木をないものと思つていたゞきやせう。」
かき昇る段になれば、何の雑作ざふさもない石城しきだけれど、あれを大昔からとり廻して居た村と、さうでない村とがあつた。こんな風にしかつめらしい説明をする宿老とねたちが、どうかすると居る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)