雇入やといい)” の例文
昼飯をすますと直様すぐさまお千代は派出婦会との契約を断るために出て行く。重吉は種子が生きている時分に雇入やといいれた小女こおんなに暇をやる。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
わたくしは他の旧友二人の紹介を丁寧に断って、吉良の父親から紹介して貰いこの特別室へ雇入やといいれて貰ったのでした。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そのほかに雇入やといいれてある小僧も同じように出て行ってしまって、二人とも間に合わぬというような訳。これらは例の汚穢おわいな事をやりに行くらしい様でありました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
戦後その身のかんなるがために所謂いわゆる脾肉ひにくたんえず、折柄おりから渡来とらいしたる日本人に対し、もしも日本政府にて雇入やといい若年寄わかどしより屋敷やしきのごとき邸宅ていたくに居るを得せしめなばべつかねは望まず
たまたま旅先で箕作みつくりのベク助の器用な腕に目をつけた。これを雇入やといいれて、生産力が倍加したが、五忘の奴が父に劣らぬ道楽者で、父子相たずさえて遊興にふける。お寺の本堂でバクチをやる。