トップ
>
障壁
>
しょうへき
ふりがな文庫
“
障壁
(
しょうへき
)” の例文
いつか
茜
(
あかね
)
いろの
曠野
(
こうや
)
は、海のような青い
黄昏
(
たそがれ
)
とかわっていた。草をけって、
追
(
お
)
いつ追われつする者たちには、十
方
(
ぽう
)
なにものの
障壁
(
しょうへき
)
もない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すもものかきねのはずれから一人の
洋傘
(
ようがさ
)
直しが
荷物
(
にもつ
)
をしょって、この月光をちりばめた
緑
(
みどり
)
の
障壁
(
しょうへき
)
に
沿
(
そ
)
ってやって来ます。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのあひだに何の
障壁
(
しょうへき
)
もないのである。それでゐて、どうもよく分らない。のみならず、見てゐるうちに益々わからなくなつて来るやうな顔なのである。
灰色の眼の女
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
着衣喫飯の主人公たる我は何物ぞと考え考えて
煎
(
せん
)
じ
詰
(
つ
)
めてくると、
仕舞
(
しまい
)
には、自分と世界との
障壁
(
しょうへき
)
がなくなって天地が一枚で出来た様な
虚霊皎潔
(
きょれいこうけつ
)
な心持になる。
高浜虚子著『鶏頭』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
矢岳と野岳との間の最低地
空池
(
からいけ
)
を控え、野岳と連接する妙見岳の裾野が、見事なスロープを作り最左方石割山との間に、寄生火山を持つ第一
吹越
(
ふきこし
)
の
障壁
(
しょうへき
)
で、北を限った一大盆地がそれである。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
▼ もっと見る
孔明が軍馬を
駐屯
(
ちゅうとん
)
した
営塁
(
えいるい
)
のあとを見ると、井戸、
竈
(
かまど
)
、
障壁
(
しょうへき
)
、下水などの設計は、実に、
縄墨
(
じょうぼく
)
の法にかなって、
規矩
(
きく
)
整然たるものであったという。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
物かげに
潜
(
ひそ
)
んで、一応辺りを眺め廻すと、
船手組
(
ふなてぐみ
)
のお長屋や役宅の棟が
鉤
(
かぎ
)
の手なりに建てならび、阿波守の住む下屋敷の方へも、ここからは何の
障壁
(
しょうへき
)
もなく、庭つづきで行かれそうだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「安土の
御普請
(
ごふしん
)
にあたって、右大臣家からお招きがあっても、彼のみはおことわりして、名利にも権勢にも屈しなかった。何ぞ、亡主の
仇
(
あだ
)
の
障壁
(
しょうへき
)
を
画
(
えが
)
かんや——という
気概
(
きがい
)
を抱いておるものとみゆる」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“障壁”の意味
《名詞》
障壁(しょうへき 「牆壁」の「同音の漢字による書きかえ」)
空間を隔てるための壁。仕切り。
転じて邪魔なもの。妨げ。
(出典:Wiktionary)
障
常用漢字
小6
部首:⾩
14画
壁
常用漢字
中学
部首:⼟
16画
“障壁”で始まる語句
障壁画