附随つきしたが)” の例文
旧字:附隨
坂口はビアトレスの口から、エリスの此数日来の振舞を聞いていたのと、そそくさと銀行へ入っていった様子が、如何にもいぶかしく思われたので、きびすを返して彼女の後に附随つきしたがった。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
対の扮装いでたちそでを連ねて侍女こしもとにん陪乗し、馭者ぎょしゃ台には煙突帽をいただきたる蓄髯ちくぜんおのこあり、晏子あんしの馭者の揚々たるにて主公の威権おもうべし。浅葱あさぎ裏を端折りたる馬丁べっとうにん附随つきしたがい、往来狭しとむちを挙げぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)