長命ながいき)” の例文
いゝさ暢気者のんきもの長命ながいきするつて云ふからね、お母さんはもう長くもあるまいし、兄さんだつてあゝ身をくだいちや何時病気になるかも分らない。
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
「ほんにおめえもおしなさんになくならつたのが不運くされだつけのさな、そんだがおめえ長命ながいきしたゞけええんだよ」ばあさん口々くちぐちなぐさめつゝいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
私は情けない長命ながいきをいたしまして、悲しい目にあいますより前に死にたいと念じているのでございます
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
長命ながいきは時々賭につものだ。無理もない。天海は百八歳も生き延びたのだから。
長命ながいきで八十四で、此の間死去なくなりましたが、あなた其の歳まで眼鏡もかけず、歯もし、腰も曲りませんような丈夫でございましたが、月夜の晩に縁側で裁縫しごとを致して居りましたが、其処そこへ倒れたなり
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小野五平をのごへい翁九十一歳にて身まかりぬ気根きこんつめつつ長命ながいきしたり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
長命ながいきすることと金を溜めることさ」
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
長命ながいきや、はぢかい、地獄の夕焼
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
長命ながいきをさせたいのは山々だけれども、としも齢だし、あの体では所在もないし、手と云つてはねつから届かないんだから、あゝして生きてゐるのが却つて因業だと
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
長命ながいきまいぞ地獄の夕焼。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)