鑑賞かんしやう)” の例文
そして冷靜れいせいな藝術的鑑賞かんしやうは、熱烈ねつれつ生理せいり憧憬どうけいとなつて、人形にんぎやうにはたましいが入つた。何も不思議はないことだらう。周三だつて人間にんげんである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
な、俗物ぞくぶつ信心しん/″\文学者ぶんがくしや即ちおん作者さくしや様方さまがた生命せいめいなれば、な、俗物ぞくぶつ鑑賞かんしやうかたじけなふするはおん作者さくしや様方さまがた即ち文学者ぶんがくしや一期いちご栄誉えいよなれば、之を非難ひなんするは畢竟ひつきやう当世たうせい文学ぶんがくらざる者といふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
だから鑑賞かんしやうの上から云へば、菊池の小説を好むと好まざるとは、何人なにびとも勝手に声明するがい。しかしその芸術的価値の批判にも、粗なるが故に許し難いとするのは、好む所にへんするのそしりを免れぬ。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)