あぶみ)” の例文
山上から打って出て来た賊魁ぞっかいの打虎将李忠がまたがっているその馬を一見するなり彼はかっとあぶみを蹴ッて進み。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふとそこにつながれている新兵衛乗馬の黒鹿毛にまなこを注ぐと、こはそも奇怪! ちらりと目についたものは、あぶみの外に、べっとり流れ垂れている紛れなき生血です。
わめきつつ、槍のあいだを駈け、信長の駒のあぶみへ、つかまろうとした。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)