錢金ぜにかね)” の例文
新字:銭金
吹聽ふいちやうするに疑ひなし其上長屋中へ錢金ぜにかね用立家主へも金をかすゆゑ勘太郎を二なき者の樣におもひ我々如き後生ごしやう大事だいじと渡世する者は貧乏びんばふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
惡うさへせねや錢金ぜにかねで苦情は云はんから、こんな貧乏村の醫者にや持つて來いなんだ。治療は上手じやうずな方ぢやないさうだが、そんなことは大目に見とかにやなるまい。
避病院 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
殊におやぢは先頃死んでしまつて、今ではあの義平が跡取りだから、刀屋のせがれとは違つて錢金ぜにかねが自由になる。どうしても彼奴からは二三百兩ぐらゐは引き出さなければならない。
正雪の二代目 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
大岡殿より差紙さしがみを以て勘兵衞たな權三助十の兩人尋ねの儀有之これあるつき召連めしつれ罷出まかりいづべきむねたつされければ家主勘兵衞は兩人をよび貴樣達は何ぞわるい客人をのせて物でも取たかたゞし客人の錢金ぜにかね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)