銀杏樹いちょうのき)” の例文
うちまえには、おおきな銀杏樹いちょうのきがありました。そのがしだいにいろづいてきました。さよこわれかかった石段いしだんこしをかけて、雑誌ざっしんでいました。
善いことをした喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
あがざかの街を、ぶらぶらのぼってゆくと、やがて大きなやしろの前に出た。鳥居の間から、ひろい境内けいだいが見える。太い銀杏樹いちょうのきが、百日鬘ひゃくにちかずらのように繁っている。彼は石段に足をかけようとした。
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほんとうにあたたかな、よくれたそら太陽たいようえて、かぜすらない秋日和あきびよりでありました。おおきな銀杏樹いちょうのきうえで、小鳥ことりくほかに、だれもおばあさんをおびやかすものはなかったのです。
善いことをした喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)